2013年11月25日月曜日

12月6日20時〜!それでもクールか!? 第二回「アウトバウンド」

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科のポリシープロジェクト(中村伊知哉教授)がお送りするクールジャパン討論バラエティ「それでもクールか!?」の第二回放送日が決定しました。

今回のテーマは「アウトバウンド」です。みなさんアウトバウンドという言葉をご存知ですか?
アウトバウンドとは海外に向けて日本文化を売り込んでいき、海外での日本人気を盛り上げる事です。

さて先日、クールジャパン推進機構が発足しましたが、この機構は海外にモノ・文化を売りだしていこうとしている企業を後押しするための機構であり、まさにアウトバウンドが目的と言えます。
皆さんニュース等でもご覧になっているかも知れませんが、この機構については賛否両論の意見が飛び交っています。賛成派の意見としては、資金面での援助は不可欠である。有能なプロデューサーに金を渡せば成功する。など。
反対派の意見としては、金のバラマキかつ補助金に群がってくるような企業ばかりが集まってくる。本当に海外発信する気があるなら自腹を切って出ていくべきだ。などといったものです。

この話題に対して、いち早く切り込むべくそれでもクールか!?では「アウトバウンド」をテーマとした放送をします。

この機構は本当に成功するのか!?
今海外に売っていくべき文化とは何か!?
そしてどこに売ればいいのか!?
政府が本当にするべき施策とは何か!?

これらの問題について、前回の『クールジャパン総論』よりさらに議論を掘り下げた放送をお送りします。

ゲストは、アニメ界の敏腕プロデューサー竹内宏彰さん、日本ロリータ協会 会長青木美沙子さん、日々多くのニュースに多角的な意見で斬りこんでいらっしゃる、やまもといちろうさんをお迎えします。
これまで海外で多くのビジネスや講演を行ってきた竹内さん、海外でファッションショーやロリータお茶会などを行い日本のイメージ向上に貢献している元外務省カワイイ大使 青木さんに実際の経験から感じた問題・提案を挙げていただき、そこに多くの経済・政治問題に対して斬新な視点で論説を繰り広げていらっしゃるやまもとさんの視点を取り入れる事で真のアウトバウンド政策を考えていこうという狙いです。

さて、今回の放送では、視聴者投票をおこないます。投票者は視聴してくださる皆様です。ゲストの方々の意見を発表して頂き、視聴者の皆さんには支持する意見を投票して頂きます。
最終的に一番多くの支持を集められたゲストの方を今回のクールジャパンプレゼンターとしますので、みなさん是非リアルタイムでの視聴・投票・コメントをお願いいたします!


第1回テーマ「アウトバウンド」

・放送日時
2013年12月6日20:00〜21:00

・モデレーター
中村伊知哉(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)

・ゲスト 
やまもといちろう(イレギュラーズアンドパートナーズ代表取締役)
竹内宏彰(株式会社テイク・ワイ)
青木美沙子(日本ロリータ協会会長)

視聴はこちらから!!

http://live.nicovideo.jp/watch/lv160538695

2013年10月19日土曜日

東京五輪、ガンダムの聖火リレーは「クール」か!?

「もっと海外展開のサポートをすべき」、「民間の邪魔をするな」と賛否が割れ続けている政府のクールジャパン政策は、東京五輪をきっかけに活性化するのか。今回、私たちが行った討論企画では、「ガンダムが聖火リレーをするとか、初音ミクがセンターで踊ったっていいじゃないか」(堀義貴・ホリプロ社長)など、日本のポップカルチャーを前面に押し出すアイデアが出た。五輪決定を機に、クールジャパン政策を改めて考え直す時期に来ている。
(慶應義塾大学メディアデザイン研究科・板谷俊成)

この度、国のクールジャパン政策について議論するニコニコ生放送の番組「それでもクールか!?」を、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の学生が中心となって企画。10月11日に放送を開始した。月1回ペースの放送を予定している。初回は、司会の中村伊知哉・慶大教授に加え、政府から稲田朋美・クールジャパン戦略担当大臣、民間から堀社長が出演した。

(写真:放送中の様子)


五輪では、日本の伝統芸能が披露されることは容易に想像できる。では、ポップカルチャーはどういう役割を果たせばいいのか。堀社長が意見を述べた。

開会式をやる時に、ゴスロリファッションは入っていいのか悪いのかっていう所からスタートしてしまうとできなくなっちゃうんですよ。そうすると日本のお祭りみたいになっちゃいます。世界がびっくりすることをやるべきだ。

そこで出たのが、ガンダムに聖火リレーをさせたり、初音ミクに踊らせたりするアイデアだ。もっと自由に考えてもよさそうである。日本オリンピック委員会(JOC)が開会式に登場してほしい歌手に関するアンケートを行い、サザンオールスターズが1位になったという結果を発表されているが(サザン、開会式に登場してほしい歌手1位
http://hochi.yomiuri.co.jp/sports/etc/news/20131009-OHT1T00219.htm)、アニメやゲームキャラクターなどで人気投票をやっても盛り上がるのではないだろうか。

ただ、クールジャパンをめぐる批判で、多く見受けられるのは、自ら「クール」と称することに対する批判だ。これについて、稲田大臣はこう述べる。

自分でクールって言ってしまったら終わりで、みんなからクールって思われるようにその種を探していきたいなと思います。

東京五輪のアイデアに関しても、発想や視野が内向きになってしまえば、自称「クール」になりかねない。外からの目線を受け止めて、新しい発想を打ち出していくことが必要なのだろう。

以下、番組の主なやりとりについて紹介していく。

■ 外国人が感じるクールと日本人が感じるクールは異なる

日本は果たしてクールなのか。稲田大臣は、日本人のクールと外国人のクールは異なることを指摘し、例として鬼押し出しの自動販売機を挙げた。浅間山の鬼押し出しを訪れた外国人が、固まった溶岩が連ねる中に自動販売機があり、皆そこで飲み物を買って飲んでいるのを見て、クールだと感じたという逸話である。私たちからすると、このような光景は子供の頃から見慣れており、何も感じないだろうが、外国人からするととても珍しい光景だそうだ。

■ 大臣のゴスロリ衣装「ママがクレイジー」

話題に上がったのは、先月パリにて行われたTokyo Crazy Kawaii in Parisだ。日本文化をパッケージ化したイベントであり、ファッションだけではなく、音楽・日本食等の催し物も多く行われていた。中村教授と稲田大臣も参加している。特に、稲田大臣は特注のゴスロリ衣装を身に纏った。稲田大臣は「パリでは全然クレイジーでもなかったし、日本人もフランス人もパリジェンヌもみんなして楽しむってイベントで、すごく楽しかったです。一人だけ黒いスーツを着ているよりもずっと良かったと思うんです」と語った。また、日本へ帰国後、娘から「ママがクレイジーよ」と言われたという裏話も語った。

(写真:ゴスロリ衣装の稲田大臣と中村伊知哉教授 )

■日本のコンテンツ人気は経済効果に結びついていない

中村教授は、日本のコンテンツ産業が縮小しているというデータを提示した上で、どう受け止めるべきかという質問を投げかけた。稲田大臣は「現在、日本のコンテンツは経済効果に結びついておらず、政府が後押しを行えば効果が出るのではないか」と答えた。日本のコンテンツ市場の海外からの収入比率は5%程度であり、アメリカは17%。中村教授は、これまでは国内で需要を賄えていたが、少子高齢化により難しくなってきており、海外への展開が必然的となってきたことを指摘した。

■ パッケージビジネスは縮小、でも音楽へのニーズは健在

これに対し、堀社長は「音楽を例に上げるとパッケージというビジネスは世界的に縮小している。だからといって音楽が聴かれる回数が減っているわけではなく、聴かれる回数は増えている。ましてや、カラオケに至っては世界中に広まって、歌われる回数は増えている。実態の数字とライフスタイルには乖離がある」と答えた。さらに、インターネットの普及によって世界中に日本コンテンツのファンが広がっていることをチャンスととらえ、上手くマネタイズを行うことが重要であることを主張した。

(写真:堀義貴社長 番組中の写真より)

■ 韓国の成功の秘訣は国全体の本気度

中村教授は比較対象として、韓国の国一丸となった海外攻勢を挙げた。稲田大臣は、「韓国のアイドルは日本語で歌うなど、非常に戦略的だ。見習うべき所が沢山あるが、日本は政府が前に出るのではなく、民間が前に出て、政府が後押しする方が長く続くのでは」と答えた。堀社長は、「90年代に韓国は一度破綻を経験していることから、エンターテイメントと工業製品を売らざるを得ない状態にあった。韓国は、この逆境に対して、国民総出で海外に出ていこうという意識を固め、海外展開を進めた」と答えた。その成功の秘訣として国民全体の本気度の高さを挙げた。

■ 500億円をどう使うか

11月には官製ファンドであるクールジャパン推進機構が始動する。500億円の資金はどう使われるのか。稲田大臣は「海外に出て行くにあたり、資金が足りない企業の後押しといったような使い方をする」とあくまでも民間企業の後押しをするスタンスを強調した。堀社長は、「民間企業は過去十数年、既に海外展開を行っているのだから、過去の検証を行うことが必要」と述べた。

※ニコニコ生放送「それでもクールか!?」のアーカイブはこちらから。
http://live.nicovideo.jp/watch/lv155398703
Ustreamアーカイブも視聴が可能。
http://www.ustream.tv/recorded/39737416
次回から、より掘り下げた内容を議論していく。議題・ゲストについてはブログ( http://poliproniconama.blogspot.jp/) にて掲載する。

2013年10月4日金曜日

11日からニコ生新番組「それでもクールか⁉」~ゴスロリ大臣とエンタメのドンに直撃!~

慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科のポリシープロジェクト(中村伊知哉教授)は10月11日、政府が推進するクールジャパン政策について議論し、「学」からの提言を発信するニコニコ生放送の討論番組シリーズ「それでもクールか⁉」を開始します。

10月から月1回、全12回配信する予定です。海外に打って出るための政策や、観光など日本に来てもらうための政策、コンテンツ産業の人材育成、産業構造の改革などのテーマを議論します。モデレーターは慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の中村伊知哉教授です。

第1回の放送は10月11日金曜日、20:00から21:00です。

ゲストはパリのTokyo Crazy Kawaii Parisでゴスロリ衣装を披露した稲田朋美・クールジャパン戦略担当大臣とエンタメ業界で活躍する堀義貴・ホリプロ代表取締役社長をお迎えいたします。

クールジャパンとは?何がクールなの?
500億円ファンドは有効なの?使い道って?
オリンピックに向けたクールジャパン政策とは?
等々クールジャパンの根本から政策の現状、そしてクールジャパンの未来像まで徹底的に討論いたします。 意見も募集いたしますので、みなさんぜひご覧ください。

第1回テーマ「クールジャパン総論」

・放送日時
2013年10月11日20:00〜21:00

・モデレーター
中村伊知哉(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授)

・ゲスト 
稲田朋美(クールジャパン戦略担当大臣)
堀義貴(株式会社ホリプロ代表取締役社長)

視聴はこちらから
http://live.nicovideo.jp/watch/lv155398703